( 建築コラム )
【連載vol.1】「妥協のない品質」を支える仕組み。後藤組建築部が全工種で導入するデジタルチェックリストとは
2026.07.16
米沢市を中心に、地域の社会基盤やビジネスの拠点を支える株式会社後藤組建築部です。
私たちが手掛けるオフィスや工場、店舗、公共施設といった建物は、多くの人が利用し、長く使い続けられる「地域の財産」です。
完成後に隠れてしまう構造体や断熱、配管などは、建物の寿命や機能性を左右する極めて重要な部分です。だからこそ、私たち建設会社には、あらゆる工程においてプロとしての厳格な管理が求められます。
本連載の第1回目は、後藤組が現場で実践している「全工種対応・施工管理チェックリスト」の舞台裏をご紹介します。
後藤組の建築現場では、基礎工事から内装・仕上げに至るまで、すべての工種において独自の「チェックリスト」を作成し、運用しています。
例えば、建物の土台となる「土工事」一つをとっても、重機の選定や土の搬出入経路、安全対策、物理的な寸法精度に至るまで、細かな基準を設けています。
これらは単なる確認表ではなく、設計図書や公共建築標準仕様書に基づいた「後藤組の品質基準」です。
商業施設や工場の建設において、施工の不備はそのまま事業の停止や運営への影響に直結します。
私たちは、このリストを用いることで、施工精度のバラつきをなくし、竣工後も安心してお使いいただける建物をお引き渡しすることを第一に考えています。
かつて紙やExcelで管理していたこれらの膨大なリストを、現在はクラウドサービス「kintone(キントーン)」で完全に電子化しています。
このシステムの最大の利点は、「現場の進捗と品質がリアルタイムで共有される」ことです。 現場監督がタブレット等で入力した検査結果は、即座にデジタルデータとして蓄積されます。
これにより、お客様や設計監理者様に対して、施工の各段階で「正しく施工されているか」を客観的なデータとして迅速に報告することが可能です。
「ここまで細かく記録を残してくれるのか」といったお声をいただくことも多く、この透明性が、発注者様からの長年の信頼に繋がっています。
実は、このチェックリストはもう一つの重要な側面を持っています。それは、若手社員の教育です。
建築現場は専門性が高く、覚えるべきことが多岐にわたります。「どこに注目し、何を確認すれば施工品質が担保できるか」という判断基準は、一朝一夕では身につきません。
全工種を網羅したこのチェックリストは、若手社員にとって「先輩が何を重視し、どう管理しているか」が可視化された、最高の教科書です。
一つひとつの項目を確実にクリアしていく過程を通じて、着実に「プロの技術者」として成長する環境が、後藤組にはあります。
私たちがチェックリストを使う理由は、ただミスを防ぐためだけではありません。後藤組の品質を次世代へ継承し、地域とともに歩み続けるための「誠実さの証」です。
Q. チェックリストや報告書の内容は、発注者(施主)も確認できますか?
A. はい。工程の節目ごとに、施工記録として適切に共有いたします。建物の完成後も記録として保管されますので、将来的な修繕やメンテナンスの際にも役立てていただけます。
Q. 商業施設や工場の建設にあたり、工期や品質の透明性をどう確保していますか?
A. kintoneによる電子管理と定期的な工程会議を通じて、進捗状況を常にオープンにしています。予期せぬ事態への対応も含め、全工種チェックリストで管理することで、遅延や不備のリスクを最小限に抑えています。
